FC2ブログ

遥かなる明日へ ~画家松井大門の七転八起き~

Home > ★【自己紹介】 > 記憶の中から > 高校性時代

2008.08.21 Thu 高校性時代

父が43歳、母が36歳、姉が7歳の時、僕は生まれましたので、家の中では、僕一人の天下のようでした。何事も最後は泣いて駄々をこねれば、何とかなる。甘やかされ放題でした。
けして裕福ではありませんでしたが、父ちゃんがいて、母ちゃんがいて、姉ちゃんがいて、何時も笑い声がありました。
そんな優しい笑顔に囲まれていたせいか,精神的に悩んだり、苦しんだりした記憶もなく、何時も楽観的でした。この楽観的な性格はいまだに変わりません。
精神的に脆く弱く、忍耐力ゼロの僕が、等々、家を離れる時が来ました。高校進学です。
村からバスで40分程の所に皆が通う高校が在りましたが、ねじべぇの僕は村からかなり離れた高校を選んだので、下宿生活になりました。実業高校の林業科を選びました。
何の下調べなく、ここを選んだのは、山が好きだからというたったこれだけの理由でした。
樹木のことを色々と学びたい、クラブ活動もしたいな、出来れば恋愛もしてみたいな。
胸をわくわくさせて、皆、父兄同伴で入学式も終わり、それぞれの科の教室へ戻りました。科の主任先生の話があるので父兄もともに教室で待つようにとのアナウンス。
教室の中では、皆初めての顔なので、少し緊張しながらも、それぞれが嬉しい顔をして先生を待っていました。
眼鏡をかけたかっぷくの良い中年の先生が入って来ました.ギロリと皆をにらみ、最初の一言、大声で、
「貴様ら皆たるんどる、この科の中では一切、甘えは許さん。明日までにみな頭を五厘刈りにして来い。」
このあと、先生が何を話したかは記憶に無し。生まれて初めて出会う恐怖と旋律の時間。
ただただ、この悪夢のような時間が早く終わることだけを願っていました。
父が別れ際に言った言葉は「わしもお前のことでいろんな先生に頭を下げてきたけど、あんな怖い先生は初めてじゃ、何とか、今度こそは真面目にしてくれよ。」でした。
夢に見た楽しい高校生活は登校第一日目で脆くも崩れました。他の科の生徒は髪を、伸ばしているのに僕の科だけ、一年から三年生まで全員皆つるつるの丸坊主、クラブ活動なんて、とんでもない話で、通常の授業が終わると全員2時間ほどの補習授業です。
公務員初級試験と測量士補試験に合格するための勉強をさせられるのです。
完全なる、それも度を越したスパルタ教育です。最後の頼みの綱の恋愛はというと、男子生徒しかいなく、何とも味っけのないものでした。まあまあ好きだった勉強もだんだん嫌いになりました。
悪戯をするなんて飛んでも発奮、ただただ、ねじべぇの性格を自ら抑えつけなければいけないという、忍耐力との戦いの日々です。
それでも楽天家の僕は、思いつめる訳でもなく、幾らかの喜びを探しながら、何とか休むこともなく学校へ通いました。が、ねじべぇの性格を抑えているので、何だかつまらない。
思い出すのは田舎での楽しかった悪戯三昧の日々。
でも皆さん安心してください。仮面をかぶった生活は長くは続かない。
高校三年の二学期の中間試験の時のことです。三時間目の試験が終わり、僕と何人かの生徒がパンを食べている時でした。運悪く先生に見つかってしまい、「貴様ら、皆退学じゃ、それが嫌なら親と一緒に謝りに来い。」
カチン、僕の頭の中のある回路にスイッチが入ったのです。そうですねじべぇスイッチです。
僕だけだったらどんなに謝ってもいいけど、親を呼べだと、そりゃあ、家の父ちゃん学校には呼ばれ慣れとるけど、こんなちょっとした事で呼ばれたことは一度もないわい、ましてや父ちゃんバスに乗って、汽車に乗って一日がかりじゃ、親なんぞ呼べるかい、退学じゃ、退学じゃ。
入学以来、二年と何か月間、くすぶり続けていたねじべぇの心だけに、火がついたら
ウララ、ウララ、もうどうにも止まらない。
他の皆は親を呼び事なきを得ましたが、びっくり仰天、驚いた父ちゃんは、親戚の叔父さん二人と共に学校にやってきて、あとちょつとで卒業なんだからと、先生には頭を下げ、僕には説きふすように、何度もいうのですが、頑として僕は頭を下げず、目出度く退学と相成りました。
わざわざ来てくれた叔父さんは、ちょっと前まで、この町の駅の助役をしていて、顔が広く、
「折角来たんだから、ついでにお前の就職口を探してゆこうう」ということになり、この日のうちに、僕の就職口が決まってしまったのです。
誰よりも早い卒業と、誰よりも早い就職。
いやぁ皆さん、目出度い事は重なるもんですね。
こんなわけで、僕の次の人生が始まるのですが、今日はここまで。
長々と読んでいただき有難うございました。このとんでもない、スパルタ教育先生の名誉のために、一言いっておきますが、卒業生の多くは公務員になり、皆、感謝しているとのことです。
先生は亡くなられてもうおられませんが、最後まで鬼先生を通されたそうです。
ゆくゆくは生徒たちの幸せのためと、鬼のようになられた先生に、時すでに遅しですが、この場を借りて、お礼を申しあげます。
本当に有難うございました。


ブログランキングに参加しています。ポチポチっと押してください。
にほんブログ村 美術ブログ 水彩画へ



Comments

name
comment
れんげ : URL 愛のレース11

#- 2008.12.19 Fri 16:07

パンで辞めちゃったのか(笑)
ここで卒業して、就職していたら、もしかすると画家にはなってないかも・・・。
どうだろうね先生。
れんげにも鬼教師いたなぁ。
いっぱい可愛がってもらった!(笑)
出来の悪い生徒ほど可愛いって言ってたよ。

comment form
(編集・削除用) :
管理者にだけ表示を許可